智方神社祭典
私が住んでいる清水町、長沢には智方神社という神社があります。宮司さんは常駐しない小さな神社ではありますが駿河と伊豆の国境となる木瀬川沿いに設けられ、東海道五十三次を行き交う旅人の安全を願う道祖神的な神社であり、戦乱の世の中にあっても重要な信仰心の拠り所となった由緒ある神社です。
長沢区在住の男気いっぱいの清湧神輿会の担ぎ衆が「せいやっ、せいやっ」と町内を練り歩いてきました。
「せいやっ、せいやっ、そいやっ、そいやーっ」
「ちょーい、ちょーい、ちょーい、ちょーいっ」っと
お神輿の中に居る神様を私の自宅に引き入れてくれています。
「よーぉっ、ちゃちゃちゃん、ちゃちゃちゃん、ちゃちゃちゃん、ちゃんっ!」
関東一本締めで景気付け!
良く宴会の席での「宴たけなわではございますが、中締めといたしまして一本締めで締めさせていただきます。 よーぉっ、ちゃんっ」と締めることがありますが、あれは間違いなんだそうです。
この辺りも関東地方の括りとなるため、一本締めというのは関東一本締めになるそうで、「よーぉっ!ちゃちゃちゃん、ちゃちゃちゃん、ちゃちゃちゃん、ちゃんっ!」が正式な締め方だそうです。
ちなみに3本締めは一本締めを3回行うことです。
神輿会の皆さんに少しばかりのお酒や料理を振舞わせていただき、しばし休憩。
けっこうイカツイ人相の人達ばかりですが、皆さん礼儀正しくて、カッコイイ、気持ちの良い人達ばかりです。
神輿会の山田会長さんが「ねえ、藤沢君さ〜。今日の夜、空いてる?」
「午後は釣りの会合がありますけど夕方からなら空いてますよ」
「夜の練り歩きの時ちょっと神輿の関係手伝ってよ」
「OK!」
この山田会長さん、私よりずーっと年上ですが、目線が低く、能ある鷹は爪を隠すタイプ。イカツイ荒くれ者達を束ねているだけのことはあります。でも、私は神輿会の会員ではないため地元のただの酒飲み友達です。
午後2時から5時まで全磯連静岡県支部の会合を沼津で行い、地元の智方神社に急行!
「わーっ、お祭りだー」
テキヤさんが並びたこ焼きのやお好み焼きのいい香りが・・・子供たちが目をキラキラさせて飛び歩いていてとても賑やかです。
清湧神輿会のお神輿は決して大きくはありませんが、ちゃんとした宮大工さんが作った良いお神輿です。
で、私の役目は投光機付きのトラックを運転して夜道を照らしながらの先導役で、各家庭を廻って一本締めで景気付けをしていきます。
最後には智方神社に戻って神様を神社に返します。
神輿の世界はいろいろなしきたりがあって面白い。でも元を正せば仁、義、礼。現代の人々が忘れかけている大切なことかも知れません。
その後、神輿会の人間でもない私を皆さんが御苦労さん会に誘ってくれました。そして、神輿会にも誘ってくれました。 「一緒に担がない?」って。
日頃、私自身の体一つでも足りないと感じている今日この頃、生半可な返事で引き受けても役立たずでは逆に迷惑をかけてしまいますからね。
丁重にお断りさせていただきました。
でも、こんな私に厳しい世界へのいざないを掛けてくださることに、感謝、感謝です。
さあっ、明日からまた一週間が始まります。 頑張りましょう!