なぜ?
清水町K様邸は昨日、足場解体工事が終了し樋、雨戸、玄関ルーバー等の塗装工事が進んでいます。
窓の鉄製格子に錆止めを塗布していますが、錆止め塗装の前に錆や塗膜のハガレを除去するケレン工事を行いますがそのケレン工事を進めていくと前回塗り替えをした塗装業者は錆止めを塗らずに水性塗料で仕上げていたことが判明。
格子全体から錆が出ていることを考えると前回の塗り替え時にもそれなりに錆びていたはずなのにケレン工事もせずにいきなり水性塗料で上塗りしていますから全く防蝕効果はありません。
なぜ?
玄関脇のルーバーは木製ですが、これも前回水性塗料で塗られてしまっていました。
水性塗料がなんでもかんでも悪いということはありませんが、TPOがあります。
木材は常に呼吸をしています。空気中の湿気を吸ったり、吐いたりします。水性塗料のメリットは非常に乾きが速いことですが木部に水性塗料を塗ると塗料が浸み込む前に乾ききってしまい、単純に塗膜を形成するだけで終わってしまいます。
塗膜が出来ることによって雨水の侵入を防ぐことが出来ると思いがちですが、実はごくごく小さなピンホールがあちこちに存在していてそこから雨水が侵入すると木部内部で水蒸気となり逆に中途半端な塗膜があるがゆえにその水蒸気は逃げ道が無くなり、そしてその水蒸気が塗膜を持ち上げてしまって脹れやハガレの原因となります。
それよりも更に怖いのは木部内部にこもった水蒸気や水分が腐朽菌を発生させて木部が腐ってしまったり、湿気によってシロアリを呼び込んでしまったりすることがあります。
塗り替えをご依頼くださったお客様の中には日曜大工が好きで、外部の縁側やちょっとした物置などの木部をホームセンターで売っている木部用水性塗料で1年に一回ぐらいの割合でまめに塗り替えをされる方がいますが・・・。
お施主様:「ねえ、藤沢さん。なんで毎年塗って手入れしてるのにこの縁側の木は腐っちゃうの?」
藤沢塗工店:「まめに手入れしすぎますと逆効果なんですよ」
お施主様:「なんで〜?」
藤沢塗工店:「この水性塗料が木部の塗装に適していないからです。まめに手入れすることによってどんどん塗膜が厚くなって内部の湿気が抜けないで腐ってしまうんです。日が当たることによって木部内部は蒸し風呂状態ですからね」
お施主様:「だってこのペンキ外部木部用って書いてあるよ?」
藤沢塗工店:「ウレタン系の水性塗料ですから耐候性や耐久性には優れているから外部用とうたってあるので間違いではないんですが、木部には適しませんね。この塗料の耐久性はいいので一見するとちゃんと木部が保護されているように見えますが中の木部は腐ってしまってスカスカになってしまっていますよね」
お施主様:「まめに手入れすることが逆効果だったとはね・・・」
藤沢塗工店:「塗料の選定をしっかりとすることが大切です。まめに手入れといっても2年〜3年に一回の割合で十分すぎるくらいですし、その場合は油性オイルステインや油性系の木材保護塗料が適しています。粘度の低い塗料を木材に浸み込ませることによって木材も呼吸ができますし、紫外線や雨によって失われた木材に必要な油脂分を与えることができます」
こんなやり取りが結構少なくありません。
でも致し方ないことです。塗装のプロではないのですから。
でも、K様邸を前回塗り替えした業者は塗装業者であったはずなのに、なぜ?
樋や破風板の前回塗装も水性塗料で塗ってありました・・・。
なぜ?
あくまでも推測ではありますが、水性塗料は乾きが速いため下塗りが終わったその場から上塗り工程に移ることが出来ますので乾き待ちの時間が不要でどんどん工事を進めることが出来ます。そういう仕事を”やっつけ仕事”と言って、どんどんやっちゃえー!って感じの仕事内容です。たぶんそんな感じの施工だったのでしょう。あるいは塗装や塗料の知識がない塗装業者だったのかもしれません。
塗装や塗料の知識が無い塗装業者ってのもすごいですけど。
外壁等にも水性塗料を使用することがありますが下塗りが終わって上塗りまで移るにはそれなりに時間がかかるので問題はありませんが、破風などのいわゆる細かい部分は下地によって塗料をきちんと選定しないと後に不具合が出てきてしまいますので注意が必要です。
とにかくK様邸はあちこちが脹れていたりしていて密着の悪さが目立ちすぎます。脆弱な塗膜はとにかく除去、除去。
その上に密着性に優れた2液性ウレタン塗料を塗布していきますので今後は安心でしょう。
あまり同業者についてあれやこれやと言うのは気持ちの良いものではありませんが、お施主様の大切な住宅にとって最優先しなければならないことは何か?と日々、自問自答していきたいものです。
今日から10月。
世の中は今日からたばこ値上げで大騒ぎ。
殆どの銘柄が400円台。千円で2個しか買えないし、アバウトに言えばたばこ一箱ですきやの牛丼が2杯食べられちゃう。
百害あって一利なし。
こーやって”シャチョブロ”更新の間にも一本、二本、三本・・・。
釣り雑誌の原稿を書いているときなんかはチェーンスモーカーってやつですし・・・。
大好きな磯釣りで石鯛釣った後の一服はまさに至福の一本・・・。
10時と3時の休憩時に缶コーヒー片手に談笑しながら2本、3本・・・。
だめだ、止められません。
エコー(240円)、わかば(250円)、しんせい(240円)のどれかに替えるか?
いや!禁煙外来で他力本願禁煙!
「う〜〜〜ん、でもな〜」
ま、無理でしょう。たぶん。
では、また。