ちょっと面白い塗装です。
こんばんは。
”シャチョブロ”です。
やっと11月らしい陽気になっってきた今日この頃ですが、気温差による体調変化に気を付けましょう。
沼津市のI様邸の塗装状況です。
作り付けの棚やカウンター、その他の木部の塗装を行っていますがグチャグチャーって塗っているように見えますがこれ、ワザとです。
綺麗にムラなく塗るということの真逆です。
最近ではこの様に塗装してあるアンティーク風家具が売りに出されていますがちょっと変わった技法を使えば新築、改築時にも可能です。
設計士さんによっては素人さんが塗ったように仕上げてなんて提案をされますが、これがなかなか難しいのです。
難しいからこそやりがいがありますね。
こういう仕上げ感の場合はそれぞれの主観が先行しますので設計士さんの言うとおりに仕上げても現場監督さんの主観と違っていたり、また現場監督さんがOKといってもお施主様の主観と違っていたり・・・といろいろなんです。
そして普段ムラの無いように塗ることに気を付けているせいかわざとムラがあるように塗るというのは一瞬、首ををかしげてしまうのですが脳みそのスイッチをカチッと切り替えてみる事と普段からこのような塗装を施してある家具や建築物のイメージを頭に叩き込んでおくことがキモです。
とりあえずこんな感じに仕上げてみました。
でも、正直これは完成形ではないと考えています。
これから壁が珪藻土で塗られていく予定ですがその珪藻土で塗られた壁の質感とのバランスを考えて少し手を加えていく必要があります。
今は逆に手を加えやすいように少し手荒い感じに仕上げてあります。
壁の質感が柔らかな感じに仕上がればこの棚、カウンター類をもう少し大人しめに仕上げる必要があると思いますのでその場合はもう少し白いペンキを塗り重ね、透けた茶色の部分をもっと隠してあげると今度は使い古した感じになっていきます。
こういう塗装工事は携わる色んな人の主観的なセンスが織り交ざって最終的にどこが落としどころなのかが最後までわからないところが実に面白いです。
昔に比べると建築物内部の建具、建具枠、窓枠なんかは無垢材に比べ廉価な既製品が多用されて画一化された建築物が多くなりました。
もっと職人の技術やセンスが発揮できるような、またもっと手作り感が溢れるような建築物が増えていかないかなと常々思います。住宅展示場に見学に行ってもデザインや工法が違うだけで結局は無難な設えばかりで商品力が乏しい住宅ばかり・・・。
毎日のように家電製品や生活雑貨類は進化を遂げて面白いものばかりが世に出て来ますが、これは消費者が何を欲しがっているのか、何を望んでいるのかを感知するマーケッティングが良く出来ている証拠だと思います。
一般的な建築はどちらかというと、うちはこんな家作りですが、いかがですか?というくらいのアンテナ感度。
もっともっと設計、ビルダー、職人が腕を磨いて、こんなことも、あんなこともできますよ!って胸を張れるくらいに日々勉強しなければならないと強く思います。
明日からまた、もっと、もっと頑張りましょう。
では、また。