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    本当に、本当に感電死するかと思った・・・

    先週17日に『磯、投げ情報』の取材を兼ねて南伊豆の横根と言う磯に石鯛釣りに行ってきました。


    下田の須崎港から三信丸という渡船に乗り込み雨模様の中いざ!出陣!

    港を出ると田牛(たうしと書いてとうじと読みます。地名です。不思議な読み方ですが一説によると田をと、と読む方言は北海道のアイヌ民族の方言に多くみられ、西伊豆の土肥どひでは無く、とい、沼津の戸田、とだでは無く、へだ、などの読み方も実はアイヌ言語の流れだそうです。遠い昔にアイヌ民族が伊豆地方に流れ着き、何かの理由でこのような地名になったと言われています)港方向の海面にうっすらと霧がかかっています。海水温が低いため暖かく湿った空気が冷やされ海面を覆うように霧がかかるということは海水温が極端に低い状況であることがわかります・・・これってヒジョーにヤバくない?

    海水温低下・・・嫌な予感。

    横根・・・下田沖根群の中では一番大きな磯で潮通しが良く魚影も大変濃い島です。海 上に横たわるようにあるため横根と名前が付きました。

    下り潮がザブザブ流れています。しかし船の水温計は16,8度を示し前の日より3度も上がっているとのこと。しかし例年の水温から考えると3月、4月頃の水温です。従って石鯛釣りには適さない水温であります。やっぱヤバくない?








    この日に使用した和竿は俊貞作、三本半継、総巻赤塗。通称:とんがらし 

    総巻赤塗・・・布袋竹を冬に切り出しそれから何年も倉庫で寝かせ、5.4メートル前後になるように切り組み、そして火入れという作業で油抜きをし曲がり癖を直してから、竿の素材である竹全部に1厘の隙もなく細い絹糸を総て巻き、その上に朱の本漆を10回以上薄く、薄く塗りこみます。ガイドと言う道糸を通す金具を付けさらに朱の漆を10回以上塗りあげていきます。そうすることによって防水機能を持たせてあります。切り組から完成まで3年の月日を要します。完成後、竿袋に入れ2年間寝かせた後にやっと釣り竿としての日の目を見ることが出きます。竹本来の色は総て朱色に厚く塗りつぶされているために「とんがらし」と和竿愛好者の間ではそう呼ばれています。まさしく日本の繊細かつ優美な工芸品と呼ぶにふさわしい逸品であります。

    しかし周りは霧に包まれ、どんよりと暗雲垂れこめて遠くではゴロゴロと雷鳴が轟いています。


    とうとう本格的に雨がどしゃぶってきました。同行のY君はまんじりともせず大粒の雨に叩かれながら竿先を見つめていましたが、この数分後・・・

    パリパリパリッ、ドッカ――――――ン!!!
    すぐ近くに雷が落ちました!

    それからというものバケツをひっくり返したようなゲリラ豪雨と共に周囲の海面にドッカン!ドッカン!と雷が落ち続け、カーボン製の釣り竿は帯電してしまい、みんなバチバチとプチ感電!ピカーッと光った瞬間ドッカーーーン!!!真上から雷の集中砲火!釣り人みんなが竿から離れ一か所に集まり姿勢を低くし雷雲が通り過ぎるのを待ちました。携帯もカメラも電機系の機器などは雷を呼び込む恐れがあるため出せませんでした。まるで映画のワンシーンさながらの状況下、釣り竿に落雷したら水浸しの私達は皆、感電死してしまうんだなと本気で思うほどの凄まじさでした。

    本当に、本当に感電死して、ここで死んでしまうんだなと思いました。




    1時間ほど続いたゲリラ豪雨が過ぎ去り、命拾いをして釣り再開です。仕掛けを上げてみたら
    うえ〜〜、なんだこりゃ〜〜。ヒトデが釣れてる〜〜。キモ〜〜。

    【アカヒトデ】 アカヒトデ目 ホウキボシ科 標準和名 アカヒトデ
    本州中部以南、東南アジアの岩礁域の浅水深に棲み、サザエやアワビの稚貝を食べるため地域によっては駆除対象生物となっている。


    ゴアテックス製のレインウェアを叩く雨音が時折強くなる中、いっこうに竿先は石鯛のアタリを捉えること事はなく刻々と時間だけが過ぎていく・・・

    となりの「オオカミ」狙いの釣り人もアタリなく、なすすべを失ってしまっています。

    「オオカミ」とは獣の狼ではなく、体長1メートルオーバー、重量10キロオーバーのシマアジのことを指します。
    海中の岩肌に餌のイワシを張り付けるようにしてアタリを待ち、そのイワシをオオカミが捕食した瞬間!豪竿がいきなり根元までへし曲げられ激闘の幕開けとなります。下へ下へと猛然と釣り人ごと引き込む様は狼が獰猛にエサを捕食する様なので超大型のシマアジ「オオカミ」と呼びます。


    それから数十分経っただろうか・・・
    オオカミ狙いの釣り人の竿先がすっと引き込まれた・・・
    竿に手を掛け,瞬殺の瞬きを逃さんと息をひそめる・・・
    その時だったーっ!!



    ウワ―――ッ!!!キ、キタ―――――ッ!!!
     

    あまりにも激烈過ぎます!

    時折竿が半分近く海中に引き込まれ「うわうわ、やばっ、やばっ」
    恐怖感さえ感じる激烈引きです!
    数分間の格闘の末に、水面近くで白く巨大な魚体が翻りました。
    周りの釣り人も応援に駆けつけ「もう少しだ!がんばれー!」
    でかい!すわっ、オオカミか!?


    出た――――!!!サメだ――――!!!
     

    なんと!激烈引きの主は体長1,5メートル超のサメ!
    サメが磯に居着いていると殆どの魚は怖がって寄ってきませんから、本来なら磯に釣り上げ頭の付け根あたりをナイフでざっくりと切り裂きリリースします。サメの血の匂いを他のサメも嫌がり逃げて行きますのでまた釣り人が楽しく釣りが出来ます。
    しかし、とても恐くて近寄れませんので仕方なく道糸を切ってリリースしました。

    せっかく感電死を免れたのにガブリとやられ失血死ではシャレになりませんからね。
     

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